ROAD TO DEBUT
遠くて近い! 近くて遠い!デビューへの道のり
新人アーティストに聞く“グローイングアップ物語”
Interview:Saku
4月29日、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズから1st Single「START ME UP」をリリースし、メジャーレーベルからのデビューを飾ることとなった新人アーティストSaku。“ソニトレ”受講生なら、「きっといつかは…」と誰もが憧れるメジャーデビューという夢をかなえた彼女が、デビューまでの道のりについて語ってくれました。
第2回 STEP UP!
―練習はどんなことをして進めましたか?
☆最初はコードを覚えるのだけでも必死でした。ギターを始めて3か月でライブを始めたので、ライブ用に弾きながら歌うということも同時に取り組んだのですが、不思議とギターができるようになってきたら、歌も歌えるようになっていって、曲作りにしても、コードを覚えながら曲を作っていたので、全部を同時に始めて、全部同時にスキルアップしていったという感じです。
―その頃は、日常の音楽活動としてはどんなことをやっていましたか?
☆中学2年生のときに、オーディションを受けることに加えて、ライブハウスデビューにもトライしました。横浜のライブハウスを片っ端から調べて、出演者を募集しているところを見つけて、自分で連絡して、初ライブは横浜アリーナのそばにある新横浜のベルズというライブハウスでした。 歌もへたくそでしたが、「とりあえずやってみよう!」というノリで、とにかくチャレンジ精神で臨みました。
―ステップアップになった出来事などはありましたか?
☆中学を卒業してからユニットを組んでいた友達と学校が別々になったのもあり解散して、それまでやってこなかった作詞にも挑戦して、一人でオリジナル曲を作り始めました。 一人になってみて“表現する”ことについて、以前よりもいろいろと意識するようになったかもしれません。
―誰かから教えてもらったことや影響を受けたことなどはありますか?
☆地元の駅前で路上ライブをやっている人を見かけて、「私もやってみたいんですけど…」と話しかけて、その人にいろいろ教えてもらいながら、高校3年間は路上ライブを続けていました。最初は4,5人くらいしか集まらなかったのですが、2年生の夏ぐらいには、多い時は50人くらい集まるようになりました。 路上ライブでは、ステージ上で演奏するライブハウスより歌うことに緊張感はなくて、見てくれる方に声をかけたりかけられたり、友達にフライヤー配りを手伝ってもらってブログの宣伝などもしながら、まわりの人たちとコミュニケーションを取りながら、歌うことを自然に身につけていきました。
―アーティストになろうと考え出したのはいつ頃から? 何か決定的な出来事などはありましたか?
☆高校3年生のときに、横浜アリーナのステージで演奏する機会があって。それは、横浜ハイスクールミュージックフェスティバルという、高校生による高校生のための大会だったんですけど、私はその決勝まで残ることができたんです。ほかの組はみんなバンドというなかで、弾き語りのソロは私だけだったんですが、5000人ぐらいのお客さんの前で歌ったときに、そのステージ上で感じた空気感にものすごく感動してしまい、ステージからたくさんの人に向けて、自分の声を届ける魅力というのを知ってしまいました。そのときに、やっぱり「プロでやっていこう」、「もっと多くの人に何かを届けたい」と思ったんです。地元が横浜なので、いつかはこの横浜アリーナで自分のライブをやるという壮大な目標をそのとき思い描きました。 これは自分の心境のなかでとっても大きかったです。
―ソニーミュージックのスタッフとの出会いではどんなことがありましたか?
☆高校生になってから、どんなレコード会社があるのかを調べ始めて、ソニーミュージックのSD(サウンドデベロプメント=新人開発部門)のWebサイトを見て、常にオーディション情報をチェックしていました。それで、16歳のときに、シンガーソングライター系のオーディションの募集を見て、「受かるわけないけど受けちゃおう」みたいな気持で応募したのがソニーミュージックとの出会いでした。 締め切り当日に写真を撮って、急いで送って、これもう間に合わないかも……と思いながらの応募でした(笑)。 1次審査のCD審査を通過して、2次審査はソニーミュージックのミニスタジオでのライブ審査だったのですが、50何番かの整理番号で、ギター1本を持って控室で順番を待っていたんですけど、他にも100人ぐらいはいたと思います。 ガラス張りのスタジオで、ひとりで弾き語りで3曲歌ったんですけど、ガラスの向こうには、審査員っぽい大人の人がいっぱい居て、腕組みながらこっちを見ている、そんな感じでした(笑)。 その審査を無事通過して、最終審査はステージでのライブ審査だったんですけど、10人ぐらいに絞られていて、でも見ている人(審査する人)はもっと大勢になっていました。プロを目指しているという人たちの中でやるのは初めてだったので、リハーサルのうちから、「みんなすごいなあ」みたいに思って、いい緊張感のなかで演奏できました。今思うと、今の22歳でそういう体験するよりも、高校1年生のうちに体験ができたのは、すごく大きかったと思います。
―オーディションでトラブルがあったと聞きましたが?
☆そうなんです。オーディションライブで、オリジナル曲を歌っているときに、ギターとアンプのトラブルで、かなり大きめのノイズが入りっぱなしになってしまったんです。スタッフの方が後ろのほうで、PAの修復にとりかかってはくれましたが、ノイズはなかなか止まずで…。そのときは、驚いたんですが、顔には出さないようにして、もう、ただ堂々とやるっていうことを考えて、最後まで歌い切ることにつとめました。 ライブにトラブルは付きものなので、今でもいろんなトラブルがあるんですが、どうやってトラブルに向き合えるかっていうことも、とても大事だと思いました。そのオーディションでの出来事があったから、そういうスタンスでいられるような気もしています。「最後まで歌いきる」ということを貫けば、見ている方も、トラブルがあっても最後まで歌いきったことに関心をもってもらえる、ぜったいそのほうがいいんだろうなって思います。
SUMMARY
路上ライブは、コミュニケーションでつくる!!
生声で歌って話して、見てくれる人たちといっしょに場をつくる。そうすると人は自然と集まってくるようになる。
大きなステージでは大きな目標を見つけることができる!
大勢の人たちの前で歌うチャンスは、大勢の人たちと夢を共有するチャンス。
トラブルへの対処もパフォーマンスのひとつ
何があっても最後まで歌い切る。その姿勢があれば伝わるものがある。