ROAD TO DEBUT
遠くて近い! 近くて遠い!デビューへの道のり
新人アーティストに聞く“グローイングアップ物語”
Interview:Saku
4月29日、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズから1st Single「START ME UP」をリリースし、メジャーレーベルからのデビューを飾ることとなった新人アーティストSaku。“ソニトレ”受講生なら、「きっといつかは…」と誰もが憧れるメジャーデビューという夢をかなえた彼女が、デビューまでの道のりについて語ってくれました。
第3回 SKILL UP!
―音楽活動を進める一方で、タワーレコード(以下タワレコ)で働くことになったきっかけは?
☆タワレコで働くのは厳しくて狭き門だと聞いていたのですが、どうしても働いてみたかったんです。大学生になってから、もっと色んな音楽を聞いて音楽オタクになろうという気持ちが強まって、タワレコで働けば音楽の勉強ができるんじゃないかという思いつきで応募にいたりしました。 履歴書に「どうしても働きたい!」という熱い思いをぎっしり書いて、それだけではおさまらず、書類を郵送するべきところを、渋谷店にわざわざ行って「どうしても働きたいので、直接持ってきました。これ担当の方に渡してください!」と、レジの方に手渡しまでして。レジの方はビックリされてましたが、無事採用担当の方に渡って、なんとか採用してもらえました。 今思うと、自分の道は自分で切り開くっていう気持ちと、音楽をもっと知りたいという欲求が高まっていたのかなと思います。 それまでは、歌えればいいという感じだったんですけど、「それは違うな」と思い始めて、ちゃんと自分のこだわりを持って、自分のアーティストらしさ、自分らしさというのをもっと出すためには、もっといっぱい吸収してからアウトプットしないいけないなと思ってた時期でもありました。
―予想通り、たくさん教えてもらいましたか??
☆今では「タワレコの看板娘」なんて言ってもらえていますが、入った当初は、今の状況は想像もしていませんでした。ただ、音楽をいっぱい知りたいっていう気持ちだけで入って、先輩からほんとうにたくさん教えてもらいました。 「これが好きなら、これ聞いたほうがいいよ」みたいなことや、音楽やアーティストの背景までメールで細かく教えてくれて、それに対して私も1曲づつ、感じたことを返信していくうちに多くのことを学びました。 ビーチボーイズやビートルズもそれまでなんとなく聞いていたのですが、ここではじめて自発的に聴き直して、その良さや凄さにあらためて気づくことにもなりました。知識を重ねて教えてもらって、そこからほんとに、音楽をもっともっと好きになりました。
―そういう知識はご自分の歌にどういう影響を与えたのでしょうか?
☆まず、海外の歌をカバーすることも昔より増えるようになりました。90年代の音楽がとくに好きになったのですが、キュアとかスミスといったアーティストは、歌がうまいだけじゃないなと気づいて。それまでは、歌がうまければいいと思ってたんですが、そうじゃないんだなって気づかされて。パッションとかエモーショナルなものを感じるというか、うまいへたではない、あの味がいいんだなと思いました。そういう音楽やアーティストの魅力に気づけたのは、タワレコに入ったお陰だとも思います。
―勤務はどんな様子ですか? 仕事から直接得られたものはありますか?
☆イベント会場の担当なのでライブの現場を仕事上見させてもらう機会が多く、CDの売り方や、特典の考え方、お客さんに喜んでもらうためにはどうすればいいか等といったことをすごく学べます。なので、自然と自分のときはどうしたらいいかなと考えるようになって、どんどん自己プロデュース志向も芽生えてきました。
―話は変わってヴォイストレーニング(以下ボイトレ)について教えてください。ボイトレはいつごろからやっていましたか?
☆高校1年生ぐらいまで、喉だけで歌っているという感じで、声帯結節という症状になってしまったんです。半年ぐらいまともに大きな声が出せず、少し辛い思いをしたんですけど、歌い方をもっと改善していかないといけないという意識も高まってボイトレに通い始めました。徐々に声を出しながら、その症状を半年ぐらいかけて治していったんですけど、ボイトレをするまえと後では、声はもちろんですが、気持ち面でもすごくかわって、メンタルが強くなった実感があります。ボイトレは本当に通ってよかったなと思います!
SUMMARY
音楽知識を深めることで、自分の歌への意識も深める!
知らなかった音楽、知っていたけれどわかっていなかった音楽を見つけて、音楽意識を高める。
音楽業界(タワレコ)の仕事を通して育ち始めたプロデュース志向
ライブやイベントの運営、CDを手渡すことで感じることは、自分の音楽活動の指針にもなる。
ボイトレで知ったほんとうの歌い方
ただ歌い過ぎてもNG、喉だけで歌うのもNG。歌い方の改善で長時間歌えるようになる。